こんにちは。スマホアプリエンジニア兼サウンドクリエイターの岩下と申します。最近プロジェクトの一環で動画作成を行っており、そのBGM担当として簡単なVOCALOID曲などを作っています。

さて、私の一発目の記事は、「VOCALOID曲を作ってみたいけど難しそう。。」という初心者の方や、曲作りなんてまったくしたことのない方向けのDTM記事です(エンジニア記事じゃないの?というツッコミはさておき)。あえて音楽の理論的な話は省きます。「へぇー、こんなに簡単に作れるんだ!」ということを知っていただくことが狙いです。

今回は、国産DAWソフトのABILITYとVOCALOIDをReWireを使って連携し、楽曲を作る方法について、前編と後編に分けて紹介したいと思います。前編では、各ツールの紹介と、VOCALOIDの使い方、ABILITYの音色設定について説明します。

環境

OS: Windows10 (32bit)
DAW: ABILITY Pro (1.53.3)
VOCALOID: VOCALOID3 Editor + 東北ずん子

ABILITYって?

ABILITYはインターネット社が開発した、数少ない日本産のDAW(統合型楽曲制作ソフト)です。DAWの有名所としては、CubaseやSONARが挙げられると思いますが、本ソフトはそれらに比べてスコアエディタでの音符入力がとても使いやすく、個人的におすすめしています(もちろんピアノロールによる入力も可能です)。なお、今回はABILITYを使用していますが、どのDAWでも基本的な部分は同じです。

ピアノロール

DAWで一般的な入力方法です。音の高さと長さを指定する長方形(ノート)を並べます。VOCALOID Editorではこの方法のみ使用可能です。

piano_roll

スコアエディタ(音符入力)

楽譜作成ソフト等で主流の入力方法です。楽譜が読めないとダメなのでピアノロールに比べとっつきにくい面がありますが、楽譜が読めることで音楽活動の幅も広がるので、個人的にはこちらをおすすめします。

score_editor

ABILITYは下記から試用版(30日間使用可能)がDLできますので、お持ちでない方は是非一度使ってみてください。
http://www.ssw.co.jp/products/ability2/trial/index.html

VOCALOIDって?

ご存知の通り、VOCALOIDは、メロディーと歌詞を打ち込むだけで歌ってくれるヤマハが開発した歌声合成技術・ソフトウェアです。正直ブームのピークは過ぎ去った感はありますが、少し前に新バージョンのVOCALOID4が出たりと、まだまだ賑わいを見せています。

VOCALOIDを使うには、音符入力など歌声を操る「エディタ」と、歌声の「ライブラリ」がセットで必要になります。ライブラリは数社から多くの種類が販売されていますので、サンプルを聴いて気に入った声のものを選びましょう。ちなみに私は「東北ずん子」を使用しています。

VOCALOIDに歌わせてみる

前置きはこのあたりにして、まずはVOCALOIDを歌わせてみましょう。

とりあえず歌わせてみる

VOCALOID Editorを起動したら、下記手順で入力します。

  1. 鉛筆のマークを押して鉛筆モードにする
  2. MUSICAL EDITOR(下半分のピアノロール部分)上でドラッグして、長方形(ノート)を貼り付ける
  3. 水色のバーを長方形の左側に合わせる

この状態でSpaceキーを押すと水色のバーが動き、入力したノートが再生されます。VOCALOIDが「あー~~」と歌ってくれましたね。再生中にもう一度Spaceキーを押すと停止します。簡単ですね。

ahh

ノートの高さと長さを変えてみる

入力したノートを上下にドラックすると、音の高さを変えられます。また、ノートの右端をドラッグしてノートの長さを変えられます。このとき、上部にあるQUANTIZELENGTHの値を変えることで、ノートの長さの変わり具合を変えられるので試してみてください。

歌詞を付けてみる

続けて、歌詞を付けてみます。入力したノートをダブルクリックすることで、文字が入力できます。今回は「おいし~~~」と歌って(喋って?)くれるよう入力してみました。

oishi

もちろんちゃんとした音楽にはちゃんとした音階がありますが、音楽そのものに決まりはありませんので、まずは適当で大丈夫です。

ABILITYを使ってみる

ここからはABILITYを使って、いわゆる伴奏を作ってみます。

プロジェクトを作る

ABILITYを起動したら、下記手順で新規プロジェクトを作成します。今回作る曲は簡単なものなので、MIDIトラックとAUDIOトラックはそれぞれ2つずつとします。

shinki

VSTiをセットする

次に、音(VSTi)の設定を行います。VSTi(Virtual Studio Technology instruments)というのは、簡単にいうとPC上で鳴らせるソフトウェア音源のプラグインです。昔は音源といえばハードウェア音源が主流だったようですが、今ではマシンスペックも上がりソフトウェア音源が当たり前になっています。無料でも使えるものがたくさんありますので、気になる方はネット上を漁ってみてください。

では、VSTiを設定するために、ソングエディタとVSTiウィンドウを表示します。

window

次に、VSTiと音色を選択します。今回は、ABILITYにバンドルされているLinPlug社のCRX4という少々マニアックなソフトシンセを使います。音色は何でも構わないのですが、今回は「Keys」の中の「Smoothfuncep jb」というエレピを使ってみます。

keys

ちなみにCRX4は高機能なソフトウェアシンセであり、表示されている各ツマミを弄ることで自在に音を作れます。これがなかなか奥が深く、思った通りの音を作るにはかなりの経験が必要ですが、面白い!と思った方は是非自分だけの音色を作ってみてください。

crx4

MIDIトラックの音色を指定する

「MIDIトラック」というのがこれから音符を打ち込んでいくものになりますが、これに先ほど設定したVSTiを紐付け、音色を設定します。

ソングエディタにおいて、MIDIトラック1の出力デバイス(下図赤枠部分)をクリックし、「CrX4...[1]」を選択します。これで、MIDIトラック1上のノートは「Smoothfuncep jb」で発音されるようになります。

neiro

設定した音色を聴いてみる

では、ここまでで設定した音色を聴いてみます。MIDIトラック1がアクティブになっている状態で、キーボード入力によりMIDI信号を発生させます(もしMIDIキーボードを持っている場合は、そちらが便利です)。さぁ、少し眠くなるようなエレピの音が鳴りましたね?

keyboard

今回はここまでです。次回の後編では、引き続きABILITYでの音符入力による伴奏作成と、VOCALOIDとの連携を行います。

© 2018. SuperSoftware Co., Ltd. All Rights Reserved.